若干寒くなり始めた。
舞踏会はもう、すぐそこで。
未だ誘えないドラコの心中は穏やかではなく、焦りが募る。
【舞踏会】
「ねぇドラコ、本当に舞踏会出ないの?」
しつこく尋ねてくるパンジーも今は視界に入らない。
ただ、遠くに座るハーマイオニーを見つめる。
「もう、ドラコったら・・・・・。なんでグリフィンドールの方見てるのよ!」
パンジーは頬を膨らませて言う。
「ああ、相手が未だ居なくてね・・・」
返事をしても心ここに在らず。
「相手ならここに居るじゃない!ドラコの馬鹿」
誘っても誘っても断るドラコに腹を立ててパンジーは席を立った。
明日、誘おう。
そう思い続けて一週間。
ドラコは眉間を押さえて溜息をついた。
視線の先のハーマイオニーは楽しそうにハリーとロンと話している。
「ハーマイオニー、君まだ舞踏会の相手見つけてないのかい?ハリーと行くのかと思ってたよ」
それに対してハリーとハーマイオニーが苦笑しているのを見て、ドラコは気づいた。
ああ、グレンジャーはポッターに誘われているんだ。と。
翌朝、天気は快晴で散歩にはもってこい。
ドラコはいつもより少し早く起きると、身だしなみを整えた。
きちんと髪をセットし、服にも気を使う。
よし、行くぞ。
と、何度目か分からない決意を胸に、ハーマイオニーのいるあの場所へ。
舞踏会は2日後に迫っていた。
続
何というか、キリがよいので、ここで終わりにします。
頑張れドラコ!!