太陽が段々昇ってくるのが面白くて。

雪の積もる庭で、それを嬉しそうに眺めていた。




























お正月突発小説





















殺生丸の城。
大晦日。夜だというのに、城は賑やかたった。
新年の用意に追われる女中達と、年越しの宴の為に奔走する女中達。
その女中達も、そろそろ宴への参加を許可される時分になり、宴はいっそうますます賑やかさを増していった。



そんな中、りんは酒に火照った顔を冷やそうと一時宴を抜けて庭に面している縁側へと足を運んだのだが、辺りが段々明るみを帯びてきているのを見て、嬉しそうに微笑んだ。

火照った顔にこの冷気が心地よくて、りんはそこに突っ立っていた。












「どうした、酔ったのか?」


後ろから振ってきた言葉にりんは嬉しそうに振り向いた。




「殺生丸様」



そうしてゆるりと伸びてきた腕に大人しく捕われて、抱きかかえられると、良く山際が太陽の光で輝いているのが見える。

日の出は近いようだ。





「お日様、そろそろ出てくるね。」



「そうだな。」



「・・・・・りん、お庭に出て、見たいな・・・・」



許しを請うようにしたから見上げられて

殺生丸は仕方なくも承諾するしかなかった。


しかしながら、そのままでは寒かろうと、自分の打ち掛けを羽織らせてやる。










そっと庭に出ると、そこには雪が積もっていて、裸足の殺生丸は寒くは無いのか、と、不安そうにりんが見てくるが、


「寒くはない」



とその不安を払拭してやる。













「あっ!!殺生丸様!!あれ!」


はしゃぐりんの声に見てみると、日が、山際から頭を出していた。




「初日の出、か・・・・。見たのは父上と母上と見た時以来だな・・・」


呟かれた言葉を勿論りんは聞いていて。



「旅をしてた時はいつが元旦か分からなかったもんね。去年は酔っ払っちゃって寝てたし・・・・」



もちろん寝てたのはりんであるが、りんが見なければ殺生丸も見ないということは分かりきっている。



「今度はお母様も一緒に見れるといいね。」


「それは・・・遠慮したいものだな。」


それに不服そうにりんはむくれるが、多少は予想していたのか、その後で笑う。




「さて、と。もう良かろう。そろそろ引き上げるぞ。」


「そっか、そろそろ戻らなきゃね。」


うん、と宴に戻ることを言っているのだろう、と思い頷くが、どうやら殺生丸の意向は違ったようで・・・



「宴など、やらせておけば良い。私の部屋に戻るのだ。」



りんはその言葉に「え?」という顔をして殺生丸を見る。



「分かってるな?」


額に口付けられながら言われて、りんは顔を赤く染める。



「えっえぇっ・・・りん、お風呂に入りたいのに・・・・」



口を尖らせて言うりんに、殺生丸は愉快そうに顔を歪める。



「そうか、風呂でするのが良いか。まぁ良かろう。」



「ちッ違います!!!」



自分に都合の良いように理解する殺生丸に抗議するが、殺生丸は至極嬉しそうにしているだけ。




「まぁどうでも良い。とにかく共に入るぞ。」




そう言うと、さっさと中に入って浴場へと歩き出した。

















































何か・・・殺生丸が変でごめんなさい、微妙な話でごめんなさい・・・・