HAPPY NEW YEAR


そんな言葉で始まる手紙がきて


私は静かに微笑んだ。























【新年突発小説】
































私達は勿論、一緒に年を越すなんてこと出来るはずがなくて、お互いの実家へと帰省していた。


両親と元旦の朝食をすませて、リビングでテレビを見ていたのだけれど


コンコン



と、窓に何かが当たる音がして、そっちを見たら
マルフォイの梟が居たんだから驚いたわ。


でも、同時に嬉しくて、そっと窓を開けると、頭にちょこんと雪をくっつけた梟が手紙をくっつけて堂々と入ってきた。




両親は私が嬉しそうに梟から手紙を取り外すのをみて、何かしら、とか、どうしたんだろうね、とか。
くすくす嬉しそうに笑うものだから、ちょっとはずかしかったんだけれど・・・・



でも、私は嬉しかったから、ばたばたと梟を連れて部屋へと戻っていったの。
暖かい視線を背中に受けながらね。



手紙を開くと、まず


HAPPY NEW YEAR


ってあって。(当たり前よね。)




・・・・・まぁ、読むわよ。








Happy New Year

君はどんな年越しをしているんだろうな。
パーティーにでも出てるのか?
もしポッターやウィズリーとでもいたら、承知しないからな。


(そう言うと思ってちゃんと断ったわよ!)


僕はこれからパーティーが開かれるからそれに出るんだが、、、

どうも面倒だ。
元旦にまでグラップとゴイルの顔を見なきゃならないと思うと、気分は最悪だな。

ああ、時間が無いみたいだ。
とりあえずここで止めるよ。
じゃぁまた近いうちに会おう。


ドラコ・マルフォイ








ふーん、パーティーね。
きっとパンジーとかもいるんでしょうね。

ああ、また眉間に皺!
だめだわ・・・。






私は手紙をしまって、返事を書こうとペンを取った。



そして書こうとしたのに、また、ガラスを何かがつつく音が聞こえてきた。

そっちをむくと、ヘッドウィグが懸命に窓をつついていて

私は慌てて窓を開けた。




ヘッドウィグはその白い身体が雪に覆われていて、身震いをしてその雪を払い落とした。


外は少し吹雪いていて寒そう・・・。


私はヘッドウィグを暖炉のそばに連れて行って暖めようとしたんだけど・・・


マルフォイの梟がヘッドウィグをつつくのよ!!


まったく、梟同士まで何でこんなに仲が悪いのかしら!


私は物置に鳥かごがあったのを思い出して、慌ててそれを取ってヘッドウィグを中に入れた。
だって、ヘッドウィグの方が大人しくて入れやすかったんですもの。


そうするとマルフォイの梟は大人しくなったから、私はヘッドウィグに謝りながら机の上に鳥かごを置いて、まずハリーの手紙を見ようとヘッドウィグから手紙を受け取った。











HAPPY NEW YEAR!!

1年もあっという間だね!
僕とロンは一緒に年越しパーティーに出てるんだけど、やっぱり君も出るべきだったよ。
まぁあまり言えないけどさ。
ロンのお母さんが大きいケーキを焼いてくれて、それを皆で食べてるんだけど、ハーマイオニーに食べさせてあげられないのが残念だって。
他の料理も本当に美味しいよ。
来年の年越しは一緒に過ごせると良いね。


ロンが後ろで何か騒いでるけど。。。
どうしたんだろう?

あ!ロンのやつ、料理をぶちまけたみたいだ!!


ひどいな・・・・

じゃぁまた今年も宜しく。
早く会えるのを楽しみにしてるよ。


P.Sロンもこの手紙を一緒に書きたかったらしいけど、お手伝いと雑用に明け暮れてて、どうやら無理そうだって。












ああ・・・・ロンったら相変わらずドジなんだから・・・。
でも二人とも楽しそうで良かったわ。

さて、二人分返事を書かなきゃね。





そうしてまたペンを手に取ったんだけれど、マルフォイの梟が騒がしく窓をつつくもんだから不思議に思って外を見てみると



下にマルフォイが立っていたのよ!!


新年のパーティー帰りなのか、タキシード姿でこっちを見上げていて。



私は慌てて下に下りていったわ。












「な、何でいるのよ!!」


「いちゃ悪いのか?」


相変わらず高飛車な態度で言うマルフォイ。
本当に相変わらずだわ。


「とりあえず何か食べに行くぞ。夜中に食べたっきりなんだ。」


これからご飯?
まぁ一応これから友達の家に行ったり買い物に行こうと思ってたからちゃんと着替えてるけど・・・


「その服でご飯を食べに行くって・・・・無いんじゃない?」


マルフォイは自分の服を眺めて、杖を取り出すと
さっさと服を変えてしまった。


「これで文句は無いだろう?」




そんなこんなで、両親に出かけると告げてご飯を食べに行った訳なんだけど、やっぱりマルフォイがロンドンにいる、しかもファーストフードを食べてる(元旦だからどこも開いてなかったのよ)のって、本当におもしろくて私は時々笑っちゃう。


それにマルフォイは不機嫌そうに見てくるんだけど、変なものは変なんだもの。

でも、元日、それも元旦にマルフォイに会えて本当に嬉しかったわ。
それから二人で買い物したり、お昼にはお茶を飲みに行ってケーキを食べたり。


マルフォイは夕方には帰ってしまったけど、楽しい元日だったわ。



おしまい。