大晦日、元旦。

もちろん3人は一緒。























【新年突発小説】
































寒い、寒い、寒い




3人の口から同じ言葉が呟かれるのは何度目か。
相当な頻度で繰り返されている言葉であるため、数える気にもなれない。



はぁっと白い息を掌に吐きかけて暖めようとするが、どうも暖かくならない。 それならば、と。


「あぁっ、冷てェッ」

「・・・・・離せ」



と、ムゲンとジンの手を掴んだ。





「そのうち暖くなるわよー。ちょっとくらい我慢してよね。それにあたしは暖かいし♪」




フウは、むっとして言うが、どうも納得出来るはずの無い二人は渋々とその冷たく小さい手を受け入れる。




辺りは段々明るくなってきていて、そろそろ念願の初日の出を拝めそうで、3人は欠伸をかみ殺しながらその時を待つ。












「あっ」


うれしそうな声がフウの口からついて出て、欠伸を下を向いてかみ殺しつつ目を瞑っていた二人は顔を上げる。





「明けましておめでとう!」


初日の出。
頭を出した太陽に照らされて、辺りは赤い。


「今年も張り切ってひまわりの匂いのするお侍さん、探そうね。」




と、言われて。




ムゲンとジンは




「あ・・・あぁ・・・」



とか、



「・・・・そうだな」



とか。



面倒くさそうに言うムゲンも、無表情のジンも、何処と無く嬉しそうで。


フウはにっこりと笑って二人を見た。




「さぁーてと、ちょっと遅いけど蕎麦、食べよ!あとお雑煮も。」



「新年早々また早食い大会か・・・・」


と、呆れの入った言葉はジン。


「早く帰って食うぞ!」


という言葉はムゲン。



そうして3人は肩を並べて帰っていった。