「俺が持ってくかもしれんぞ」


と、言われた。
その言葉を解せなくて、俺は顔を歪めた。








【意地の張り合い 2】

















「おめーよ、また拾い食いでもしたのか?」


俺は軽く流しながらさっさと次の金を拾い上げようと、うつ伏せに転がっている男を片足で転がした。
そして懐から財布を抜き取る。


ジャラ...


中々重い。




その重さに俺は内心(思い切り顔に出ているが)ニヤリ。



「・・・・全く無礼なヤツだ・・・」


ジンは何時ものように感情の読み取れないような声色で呟く。
俺は、そんなヤツの言葉に余り耳を傾けていなかった。
何せ、まだまだ金は転がってる。
役人が来る前に回収しねぇとな。


ジンはそんな俺の思考に気づいているのか、盛大な溜息を吐き出した。


「・・・・まぁ、お前のような単細胞にあれこれ言っても無駄か・・・」


諦めたように口から吐き出された言葉は当然俺様の耳に届き――




「ッんだと、てめぇ!!」


俺はそう叫ばずにはいられなかった。


「ふん、聞こえなかったのか?」


相変わらず、すかした野郎だ。
胸糞悪りィ・・・・


が、ここで戦い始めると、アイツが五月蝿ぇし・・・・


俺はそう思い浮かべながらも、どーしてもコイツがむかついて。



「あ〜ムカつく野郎だ!オイ、刀を抜け!!」


「言われなくとも。」



ジンはスラっと刀を抜いて切っ先を俺に向けた。
俺も剣を引き抜いてジンに切っ先を向ける。


「一分だ。」


「あぁ?」


何言ってんだ。コイツ。


「一分で終わらせる。フウに見つかったら面倒だからな。」


ああ、そういう意味か・・・


俺は無言で頷いて、戦い始めた訳だが、勿論1分で終わるわけがなく・・・

俺達はフウから拳骨を食らわせられるまで不毛な小競り合いを繰り広げ、二人とも腫れ上がる頭を抱えて宿へと3人で帰っていった。


ったく、ジンは意味分かんねぇし、フウの鉄拳は痛ぇし・・・・

これから暫くはこんなんが続くんだろうなァ・・・


と、思ってみたが、不思議と嫌な気はしなかったんだから、俺も変な奴だよな。
































はい、意地の張り合い、終わりました〜
ああ、ダラダラ続けてしまって申し訳ないです・・。
でも、もう終わりますので、ご安心をvv
何だかんだで、やっぱり3人でいるのが良いということですね〜