私は鉄扇を手に瞳を光らせた。






















Square One #3





























フルーツパフェまで美味しく頂いて、私は荷物を置いたまま御手洗いへ行った。
だって、フルーツパフェが手について気持ち悪かったんだもん。
御手洗いは中々趣味が良くて、広かった。
水できれいに手を洗い、鏡を見る。
いつもと変わらない自分の顔が移って、じいっと見つめてしまった。
こうしていると、変わらず今までいた世界にいるように感じる。
私は軽く頭を振り、御手洗いを後にした。



そんなこんなで数分後戻ると彼は居なかった。


テーブルの上には飲みかけのジンジャーエールと、地図が置いてあった。




どゆこと?


きょろきょろと見回しているとさっきのウェイターが近づいてきた。



「御連れ様から伝言を預かっております。そのまま伝えさせて頂きます。急な用事が出来たので先に帰る。腕時計を預かっているから返して欲しければ地図の所まで来い。とのことでした。」

「えーと、支払いは・・・?」

「御連れ様が御支払いになられました。」

「そうですか、有難う御座います。」



私は小さなバッグを取って中身を見た。
本当に腕時計が無い。



「はぁ・・・」



私は立ち上がると店の外に出た。



『行くのか?』

「当たり前でしょ?あの時計、師匠の形見なんだから。」



私は地図を見比べながら歩き出した。



『そっちじゃない。左だ。』



ほんと、ラインがいてよかった。


私、結構な方向音痴なのよね。











暫く走っているとあのクレーターのある森にたどり着いた。



『あとは真っ直ぐ行くだけだ。』

「分かってるー」



私ははそう言って走り続けた。





10分程走り続けると、2つの気配が近づいてくるのが分かった。



「・・・・嫌な気配。」



暫くすると2人の顔がはっきりと見える位置までたどり着いた。
いかつい男とグラマラスな女性。
二人からは禍々しいオーラが漂っていて、関わりたくなくて、帰りたい気持ちでいっぱいになった。
どう考えても普通の人じゃない。




ぴたりと私は2人の前で足を止めた。
恐らくこの2人より前に出ると、攻撃されるだろう。


でも、時計返して欲しいし。


私はううーん、と唸って2人を見た。





いきなり、いかつい男が殴りかかってきて私は慌てて飛び退いた。

凄い風圧。

今の一撃でどれだけの使い手かはすぐに分かった。
どうやら面倒なことになりそうだ。



でも、わくわくする。 それと共に心臓が五月蝿くなった。
これは歓喜の鼓動なのだろうか。


ぴりぴりと警戒しているとラインが話しかけてきた。



『気をつけろ』

「分かってるわよ」



ラインの声を聞いて、目の前の中々いかつい顔をした男は顔をしかめる。



「何だ?誰か他にいんのか?」

「・・・・調べれば分かるわ」



隣にいた、グラマラスな女性もラインの声を不思議に思ったみたいで、銃を私に向けた。




ダダン




数発放たれた弾丸は唯の弾丸ではないことはすぐに分かった。



『じっとしていろ。』



こういう訳の分からない能力についてはラインの方が得意だ。


素早く高エネルギーの壁を練り上げて私の前に展開する。
すると、その見えない壁に到達した瞬間弾丸は跡形も無く消えた。
これ中々便利なんだけど、ちょっと作り上げるまでに時間がかかるのと、こちらからの攻撃も無効化してしまうのが玉に傷。



相手の2人はこれには相当驚いたようだ。



いかつい顔の男はヒュウと口笛を吹いて賞賛してくれているようだ。




「あなた、何の為に此処に来たの」

「何の為って・・・・何でだっけ?」

『あの男に会いに来たんだろ』

「そうだそうだ。この前一緒にご飯食べた人に大事な腕時計を取られちゃって、返して欲しいんだったら此処に来いって地図をくれたんだよね。」



私はひらりと地図を二人に見せた。



「クロロ=フルフル?そんな感じの人。2時間程前に遭遇したんだけど」



その名前に2人は驚いたように互いの顔を見合わせた。
クロロと顔見知りみたい。



「とにかく、あのおにーさんに会ってあの時計返してもらわなきゃいけないのよね。悪いけど、通させて貰うわよ」



私はそう言って鉄扇を構えた。



「ああ、待て。」



制止するいかつい男。ちょっとがっかりした。
運動できると思ったのになー




「さっき団長が言ってた女ってこいつじゃねぇ?」

「そういえばさっき連絡があったわね」



二人は同意したように頷くと、私を見た。
何だ何だ?



「とりあえず、そのクロロって奴に会わせてやるから付いて来い」

「ここから10分くらいのところよ」



どうも胡散臭い感じはしたが、とりあえずついていくことにした。



『はぁ・・・・何でお前はいっつも問題を起こすんだか・・・。』



あきれ返った声が聞こえてきたが気にしない。
とりあえず時計なんだから。


私は2人に促されるままに走った。























































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