クロロって子どもいたっけ・・・?
シャルは面白そうにを覗き込んだ。
Speed of sound #6
昨日のやりとりもあって、今日俺たちは流星街の近くにある町で買い物をすることにした。
俺一人なら走ればすぐだが、如何せんもいるし、帰る頃には大荷物だ。
俺は車を適当に盗ってくると、を乗せ、町まで走り出した。
「クロロ、運転出来たんだね。しかもちょっと上手いし。」
は面白そうに窓の外を眺めている。
何が楽しいんだか。
「まぁな。」
俺は短く答えるとギアチェンジしてアクセルを踏み、加速した。
町までは十数分で着いた。
デパートに入ったら、朝だというのに存外に人が多くて、俺ははぐれないようにの手を取った。
「あ、あのワンピース可愛い!!」
は早く、と俺の手を引っ張る。
俺は苦笑して、に着いていった。
「いや、これの方が良いだろ」
「えー、こっちだよ。絶対こっち!」
「・・・・じゃぁ両方だ。で、このスカートはどうするんだ?」
「うーん、私はこっちのズボンの方が好きなんだけどな〜」
「両方。」
「クロロ・・・・買いすぎじゃない?」
俺がさっきから迷うと両方。と言ってしまうので、は不安そうに俺を見た。
気づけばもう10着は持っていて、金の心配でもしたんだろう。
「心配するな。俺は案外金持ちだ。」
俺はそう言うと、更に3着手に取った。
「5万ジェニーになります。」
最終的に17着。
まぁ、こんなもんだろう。
しかし、困ったのは荷物の量だ。
これから靴もいくつか買って、他に日用品、あと食材もそろえなきゃならない。
どうするか・・・と思っていたらが俺の服のはしを引っ張った。
「クロロ、お腹空いたね」
そういえばまだ朝飯を食ってなかった。
俺は頷くと、近くにカフェがあったな、と思い出して其処へ歩き始めた。
「いらっしゃいませ」
「2名だ。ああ、禁煙席で。」
「かしこまりました。」
店員が席へと案内し、俺たちは其処に腰掛けた。
「何が食べたいんだ?」
「うーん、家であんまり作れないやつが良いなぁ〜」
「あんまり作れない料理は無いと思うが・・・・」
俺はぱらぱらとメニューを捲った。
というか、捲っていた。
すると、まさか、こいつに会うとは。
「あれ?クロロ??」
聞きなれた声。
シャルだ。
俺は顔を上げた。
「クロロって子どもいたっけ・・・?」
「違う。この前拾ったんだ。」
「へぇ、クロロがねぇ〜」
シャルは興味深そうにを覗き込んだ。
「こんにちは、えーと、名前は?」
「こんにちは、私は「だ」
俺はの言葉を遮って言った。
何か、気に食わない。
というか、閃いた。
「シャル、お前これから戻るんだろ?」
「え?」
「戻るよなぁ?」
俺は滅多に見せない極上スマイルで威圧的に聞いた。
「え・・あ・・・う、うん。」
「そうか。じゃぁこの荷物を俺の家に届けておいてくれ。」
俺はシャルに先程買った荷物を押し付けると、しっしっと手で追い払ってメニューを読むのを再開しようとした。
「えー、俺がー?」
「ああ、何か問題でもあるのか?」
シャルは俺が折れないことを悟ると渋々頷いて荷物を手に取った。
「じゃぁまたね。今度遊びに行くよ、ちゃん」
「うん、来て♪」
シャルはと勝手に約束すると、勘定を済ませて去って行った。
去り際のあの黒い笑顔が気になるが、まぁ良いだろう。
「これを食い終わったら日用品を見に行くか。」
何て楽しい休日なのだろう。
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