何処を見ても真っ暗。
私、どうしちゃったんだろう。
どこにいるんだろう・・・。
Speed of sound #2
「おい」
声が聞こえてきたような気がしては少し、反応した。
だらりと放り出された肢体はそのままに指先だけが反応した。
「おい、何でそんなとこで寝てんだ」
気のせいじゃない?
はっきりと聞こえてきた声には瞼を震わせて瞳を開けた。
「・・・・・・?・・・だれ・・・??お母さん・・・?」
見上げると中学生くらいの少年が膝をついてを覗き込んでいた。
「誰・・・?母親な訳あるか。俺はクロロだ。」
クロロはそう言いながらに手を差し出した。
そして続けて「お前は?」と尋ねた。
「だよ。」
はクロロの手を取って立ち上がる。
はっきりと意識が覚醒した今、からはある記憶だけが抜け落ちていた。
が憶えているのはベッドに寝転がった所まで。
死んだはずの母・レーンと話したことは全く憶えていない。だから、クロロに出会って、素直に嬉しかった。
やっと人に会えた。と。
「お前、いくつだ?」
「8歳。お兄ちゃんは?」
クロロは驚いてを見た。
どうやらお兄ちゃんという呼び方に違和感を感じているようだ。
だが、は今までの真っ暗な空間から一転して人に会えたことが嬉しくてにこにこしている。
「・・・クロロで良い。俺は14だ。」
「お兄ち・・・じゃなくて、クロロは中学生なんだ?私は3年生になったばかりなんだよ」
クロロは益々顔を顰めた。
「チュウガクセイ?何だそれは」
は違うのかな、と首をかしげて
「ううん、何でもないや」
と言って周りを見回した。
見回して飛び込んできたのはゴミの山。
とにかくゴミしか見当たらない。遠くに廃墟が見えるが、此処はが行った事のあるどの場所よりも荒んでいた。
その光景に圧倒されては身体を竦ませた。
「ここ、どこ・・・?」
ぎゅっとクロロの服を掴んで言うのに苦笑してクロロは答えた。
「流星街だ。。」
「ふぅん・・・えっと、ここは日本なの?」
「ニホン?」
クロロ首を傾げた。
自分が勉強不足なんてことは有り得ないが、日本なんて聞いたことが無い。
は分からないというクロロの言葉に顔を青くした。
ど、どうしよう・・・お金も持ってきてないし、ここがどこかも分からないし・・・・
クロロもそのの様子に気が付いてどうしたものかと思案した。
「お前、親はどうしたんだ」
クロロは此処にいるのだから捨てられたのかと思ったが、どうにもの身につけている服は上等なもので、試しに聞いてみた。
「うーん・・・・」
は唸りながら上を指差した。
つられてクロロは空を見上げる。
「お空にいるんだって。」
ああ、死んだってことか。
クロロは納得して頷いた。
しかし、『お空』にいると言うことは、両親が亡くなったことを、そのことを教えた人物がいるはず。
おそらく少女はその人物に育てられているのだろうと思ってクロロは再び尋ねた。
「いつもが一緒に居る人はどこにいるんだ?」
は「知らない」首を横に振った。
さらりと自分の長い髪が顔に当たった
それと共には固まる。
「・・・・・あれ?」
疑問の声をあげるにクロロもを見る。
「あれ!?」
は自分の髪を一房掴んでまじまじと見た。
そして泣きそうな顔でクロロを見る。
「髪が白いの。何で・・・?」
クロロは訳が分からなくての前にしゃがみこんだ。
目線を合わせて尋ねる。
「オレが見つけた時もの髪は白かったぞ?」
だから目に留まったんだけどな
「違うっ違うの!私の髪は黒いの!!」
はぁ?
クロロは泣きそうになっているを見て、溜息をつく。
一体何だっていうんだ
「とりあえず、オレの家に行くぞ」
クロロはの手をとって歩き始めた。
「私の髪、お婆ちゃんになっちゃったのかな・・・」
「いや、そんなことはないさ。」
自分もたまには珍しいことをするもんだ。
クロロは自嘲気味に笑う。
くらいの歳の捨てられている子供はたまにどころか結構目にする。
しかし、一度たりて手を差し伸べたことはない。
一瞥して立ち去るか、弱っていたら止めをさしてやるか。
後者の方が親切だと思っているくらいだった。
「は何処から来たか分からないんだな?」
「うん」
クロロの暮らしている廃墟にたどり着き、ドアを開けた。
「じゃぁ暫く此処に居るといい。オレがを拾ってやる」
「うん、拾われる!」
は嬉しそうに頷いて言った。
クロロはの手を引きながら歩いて自分の住んでいる廃墟へと入っていった。
最初はこの廃墟の外見に嫌がるかと思ったが、案外は何の抵抗も無く中へと入っていった。
「・・・・・ここは、私がいた世界とは違うところみたい・・・・」
はぼそりと呟いた。
その言葉にベッドに腰掛けて本を読んでいたクロロはを見た。
「何でそう思うんだ?」
「うーん・・・・とねぇ・・・」
は暫く考えた。
素直に『水が、そう言ってるの。』
なんて言えない。
前の世界のときみたく、「魔女」だと言われるのが嫌だった。
嬉しそうに見るひと、怯えたように見るひと。
自分の周りの人間は様々だった。
別にそういう目で見られるのは慣れているから構わないけど、出来れば止めて欲しい。
「あのね・・・わたし、変なの。」
「ふうん?」
面白そうにを見た。
その瞳はどういうことだ、と尋ねていて、は続ける。
「私ね、水とお友達なの。」
おもしろい拾い物をしたもんだ、とクロロは本を閉じた。
とりあえず拾われました。
これからヒロインの過去をちょろりと紹介します。
クロロは全く出てこない。いや、最後にちょこっとしか出てこないんで、興味ない方はスクロールしちゃってください。
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