ゲロゲロ

と鳴いているカエル。
フウは雨でもないのに珍しい、馬車に積まれた藁の上で鳴いてるカエルをじいっと見つめる。

すると



「おい、娘」


と、声がした。



























【 デュオ 】




































「ぎゃっぎゃ〜〜〜〜喋ったぁ〜〜!!!」


なんて、色気の無い声で叫んでいるのはもちろんフウ。


それに少し前を歩いていたムゲン、立ち止まっているフウに追いついたジンがフウを見る。




「ねっねぇっ、今、カエルが喋ったよぉ〜〜」



泣きそうに顔を歪ませてフウは言うが二人は至って冷静。



「んな訳ねぇだろ。」

「有り得ないな。」



「ほんとーに喋ったんだってば!!」


信じてくれない2人に憤慨しながら言うと、背を向けたカエルの方から豪快な笑い声がした。
はっとフウ、ムゲン、ジンが目を向けると、カエルの下の藁が揺れていて、間も無くして一人の男が藁の中から


ずぼっ


と、周りに藁を撒き散らしながら上半身を出した。



「えっ・・・えぇっ・・!?」


当然フウは困惑するが、後ろの2人は


ほら見ろ。


とでも言いたげな目で見ている。



「嬢ちゃんおもしれーなァ〜!」



男は恰幅の良い男で、がしがしフウの頭を撫で回しながら言う。


フウは呆然と男のされるがままで、後ろの2人の瞳に危険な光が宿る。



「貴様、さっさと手を離せ」



ムゲンがその短気っぷりを発揮して剣を引き抜く前にジンがそう言った。



「おあっ、そいつァ、すまなかったなァ〜。」


豪快な笑いを絶やさずに男はフウから手を離す。


「俺ァ五平だ。」


そう言って一歩進み出ていたジンに手を差し出した。
ジンは無言で一応握手を交わす。



「お前ぇよ、何だってそんなとこにいたんだ」


訝しげに警戒しつつムゲンが尋ねると


「ああ・・・・眠くてなぁ〜。ホラ、今日はこんなに天気が良いだろ?だから公漢・・連れを待つ傍らここで寝てたら、嬢ちゃんが来たって訳だ。」


五平は笑いながら言った。


「そうなんだ。あ、私はフウ。で、こっちがジンであっちがムゲン。よろしく」


フウはそう言って五平と握手を交わした。



「しっかし遅ぇなぁ〜。何処ほっつき歩いてるんだ?」


待っているという連れの事なのだろう。
五平は困ったように頬を掻く。



「先を急ぐぞ」


唐突にジンはそう言って歩き出し、ムゲンもそれに続く。


「えっちょっと待ってよ!」


それに気づいて慌てて声をかけるが二人はちらりと此方を見るのみで歩みを止めようとはしない。


「あぁっ行かなきゃ。じゃぁね、五平さん。」


手を振りながらその場を離れ、二人に追いつくために小走りになる。





五平は遠くで文句を言うフウと言われるジンとムゲンを眺めていた。



「・・・・あ〜、悪い、待ったか?」


「遅いぞ、公漢。」


公漢と呼ばれた男は言葉とは裏腹に悪びれた表情も見せずに五平の隣へと歩を進めた。
そうして五平の視線の先にいる3人に目がいく。


「ん?」


3人を見て何を疑問に思ったのか、懐から紙を取り出すと、紙に書かれた似せ絵と3人を見比べる。


「あいつらって・・・・」


「ああ、そうだ。」


五平は頷いた。


「へぇ〜」


公漢は面白いものを見つけたかのように、にやり、と顔を歪めた。


「こりゃぁ退屈しなさそうだ。」


五平と公漢は3人を追って歩き出した。

































































ハイ、性懲りも無くまた連載物です。
オリキャラ出張るかもです。
すみません(汗)