嗚呼、不愉快だ。

ハーマイオニーが違う寮だなんて。

あの帽子(組み分け帽子)、そのうち燃やしてやる。












You make crazy#4



















ハーマイオニーはこの上なく御機嫌だった。


何といってもホグワーツの蔵書の量は凄いわ!!


そう、ハーマイオニーがやっと時間が出来て行ったところは図書館。
『本の虫』ことハーマイオニーには話しに聞くホグワーツの蔵書が気になって気になって仕方が無かった。

そして目の当たりにする図書館。

ハーマイオニーは嬉しそうに本を物色し始めた。



そして、ハーマイオニーが図書館に真っ先に向かうのは予測済みなドラコも図書館へと向かっていた。



「やっぱり此処か・・・・」


入るなり膨大な蔵書の数にうっとりと自分の世界に入り込んでいる愛しの妹を見つけてドラコは額を押さえた。



感激するハーマイオニーは嬉々として本の立ち並ぶ中へと入っていく。


まずい、とドラコも後を追った。
しかしながら堂々とハーマイオニーの前に出れないでいるのは、やはり列車の中でのいざこざを気にしているらしい。


一応謝ろうかと思い、ハーマイオニーを探して訳なのだが、ドラコの性格で素直に謝れるはずが無い。



ドラコは苛立たしげに髪を掻いた。
































かれこれ40分程経っただろうか。

ハーマイオニーの手と言わず腕の上に乗っかっているのは十数冊の本。



あぁっあんなに重そうにして・・・・腕が折れるじゃないか・・・



本棚の影に隠れてハラハラしながらハーマイオニーを見ていた。
そして堪りかねて出て行こうとしていたところ、先手を打たれた。



「持ちますよ。」



優しげな青年が手を出したのだ。



「あっ有難うございます」



輝く笑顔。



ギリリと歯を噛み締めるドラコを置いて二人は歩き出した。

カウンターに本を積み上げ、青年は礼を言うハーマイオニーの手の甲にキスをし、2,3言葉を交わし去っていった。



其の後ハーマイオニーはマダムピンスを呼び、貸し出しの許可を申請していた訳なのだが・・・



「えぇっ10冊までしか借りれないんですか!?」


「長期休暇の前なら20冊になりますけれど、原則としては10冊です。」



うなだれるハーマイオニー。
しかし決まりは決まり。と、仕方なく3冊の本を持ち、後戻りしようとしたところ、何かにぶつかった。



「・・っ すみませ・・・・」


「あとはこの3冊か?」



ドラコはそう言ってハーマイオニーの手にある本を取り上げた。
当然ハーマイオニーはその主を驚いた顔で見上げる。



「僕が借りよう」



ドラコはハーマイオニーの顔を見ようとせず、そのまま本をマダムピンスの前に出して貸し出しカードに名前を書き始めた。


「・・・・・」



ハーマイオニーもその隣で何も言わずに自分の貸し出しカードに名前を書き始めた。









書き終えると、ドラコはさっさと本を全部持って歩き出してしまった。



「・・・・ちょっと・・!」



慌ててドラコを追うが、マダムピンスに挨拶するのは忘れない。
マダムピンスに頭を垂れてから、ずんずん進むドラコに付いていく。














「・・・・何怒ってるのよ。」



「・・・・・」



続いた沈黙に耐えられず口を開くものの、返事は無い。


ハーマイオニーはむかむかする胸を押さえて再び話しかける。



「言ってくれないと分からないわよ。」


「・・・全部だ。」


「はぁ?」



やっと口を開いたと思えば意味の分からない言葉。
ハーマイオニーは素っ頓狂な声をあげてしまった。



「寮が違うのも、コンパートメントで喧嘩したのも、僕の知らない奴と関わるのも、全部、全部気に食わない!!」



ハーマイオニーは溜息と共に、またか。と頭を抱えた。
この兄の過保護さ、そして溺愛さは今に始まった事ではない。



「あのね、やっぱり今までみたいにしょっちゅう一緒に居るって言うのは無理な話よ。」



それに、何でだ!とドラコは勢い良くハーマイオニーの顔を見て視線で訴えた。



「それぞれの寮に入って、それぞれの世界を作っていく歳じゃない。私達。」


「・・・・・・・・」



ドラコは不服そうに眉を寄せた。
しかし視線はハーマイオニーに合わせたままで。



「・・・・そんなの、許さない」



ぽつりと、言った言葉は。
とっても小さい言葉だったのに、何故かハーマイオニーの胸に跡を残した。
























































長い・・・。
でも話が進まない〜〜