You make me crazy #3

ばたばた、と、荒々しく歩き回っていると、男の子、つまりハリーとロンが話しをしているのが聞こえてきた。
そこで、トレバーのことを聞こうと、2,3言葉を交わしたが・・・・
いつもの自分の勝気な性格のせいか、そんなに打ち解けることも無かった。





「はぁ〜〜」


自分の性格にか、それともトレバーが見つからないことにか、はたまた兄の性格にか、盛大な溜息を零す。


と、そうこうしているうちにホグワーツに近づいているのか、ローブに着替えなきゃ!という楽しげな声が近くから聞こえてきてハーマイオニーは立ち上がった。


「大変!早く戻らなきゃ!!」


そうしてハーマイオニーはコンパートメントへと急いだ。
そのときちらりとトレバーのことが頭を過ったが、ネビルと連絡を取る術もないため諦めて戻ることにした。

「後で会った時に聞けば大丈夫よね・・?」




















扉を開くと、むすり、と椅子に座っているドラコがいた。
ハーマイオニーはつん、と顔を向けもせずに颯爽と荷物を取ると、時計を見た。

あと10分もすれば着く。

それを確認すると、足早に部屋を出て行こうとした。

と、不意に声が掛けられる。




「・・・・謝るなら今のうちだぞ」


それに何処まで傍若無人なのか、と、イライラしてきて、きっと睨みつけると


「そっちこそ、謝るなら今のうちよ?」


と言い返した。
そしてその言葉にドラコが顔を曇らせるのを見ると、さっさとドアをあけて出て行った。









「はぁ・・・全く素直じゃない奴だ・・・まぁそこが可愛いんだが」



物憂げにドラコは窓の外を眺めながら呟いた。



そして、そろそろ着替えるか、と。
ローブを取り出した。





「はぁ・・・・我が兄ながらほんと・・・ムカつくわ・・・」


そうして適当に空いてるコンパートメントを見つけるとさっさとローブに着替えた。





間もなく電車は到着し、ハーマイオニーは人の流れに沿って電車を降りた。


ザワザワと引っ切り無しに話す声が耳に入ってきて、ハーマイオニーはその五月蝿さに顔をしかめる。


先生と思われる人物が生徒を先導していく。
とにかくその流れに混じろうと進むと、ドラコがむすっとした顔で立っていた。


「・・・・・何なのよ」


無言で自分を見つめてくるドラコにうんざりしたように言った。

すると、ドラコは手を差し出してきた。


「?」


訳が分からずに首をかしげていると


「荷物。」


それで合点がいく。
つまり持っている荷物を自分が持つから貸せ。ということなのだろう。


「いいわよ、別に。」


ふん、と顔を逸らして言うと、強引に奪い取られてしまった。


「行くぞ」


次いで発せられた言葉。
仕方なくハーマイオニーはその言葉に従った。










暫く歩くと、大広間にたどり着いた。
どうやらここでどの寮に入るか決められるらしい。




「ドラコ・マルフォイ」


次々と名前が呼ばれていく中、ドラコの名前も呼ばれた。






暫くして


「ハーマイオニー・マルフォイ」


ハーマイオニーの名前も呼ばれる。

どきどきと早鐘を打つ胸を押さえつつ壇上へと上がる。



願わくばドラコと同じ寮ではありませんように。と願いながら。



「そうじゃなぁ・・・・・・ふむ・・・・・グリフィンドール!!」


ドラコとは違う寮であることにほっと胸を撫で下ろし、自然と顔には笑みが浮かぶ。



ちろりとドラコを見ると、ドラコは不機嫌そうに顔を歪めて、昔からの友人(と言えるかどうかは微妙だが)であるグラップに八つ当たりしている。



ハーマイオニーは呆れた顔で溜息をつくと、明るい歓声で迎えるグリフィンドールの席へと着いた。