You make me crazy #2


ハーマイオニーは中々見つからないトレバーにどうしたものかと悩んでいた。
しかし自分から手伝うと言った手前、やめる訳にもいかない。
そもそもこんな頼りない男の子をほっとけることが出来ないのはハーマイオニーの性格上仕方ないのだが。。。

かれこれ探し始めて30分。

ハーマイオニーがいつまでたっても帰って来ないのに痺れを切らしてドラコもコンパートメントを飛び出した。


「何やってんだ・・・もう30分になるぞ」


心配性なドラコはこの電車に同乗していたグラップとゴイルを従えてハーマイオニーを探し始めた。
その途中でハリーとロンに会って不仲になるのは置いといて。
そのことで更に不機嫌になったドラコはグラップとゴイルに怒鳴り散らしながら、話しかけてきたパンジーに手痛く接し追い払いつつハーマイオニーを探す。


「こんなことならやはりハーマイオニーに発信機でもつけておくんだった・・・」


本当に悔しそうに呟くドラコ。

ヲイヲィ、それは犯罪だよ。

と言う度胸がグラップとゴイルにあるはずもなく、今度ハーマイオニーに発信機を付けることを心に決めるドラコを止めることなど出来なかった。


そんなこんなで歩き続けていると、見慣れない少年と何かを探すハーマイオニーの姿をようやく見つけることが出来た。
しかしながら見慣れない少年と居る。という事実は更にドラコを不機嫌にさせるには十分すぎて・・・


「何をしている!」


と怒鳴ることは必至。


「あら、ドラコ」


至ってハーマイオニーは冷静、なのだが、怒鳴られたネビルは「今にも泣きだしそう」な状態から「泣く」という状態に移行してしまう始末。
それを見たハーマイオニーはドラコをきつく睨むと勢い良く言葉を吐き出した。


「ちょっとドラコ!ネビルが何をしたっていうのよ!いきなり怒鳴ったら可哀想でしょう!?」


そしてしゃがみこむネビルの横に膝をつくと、優しくネビルに話しかける


「ごめんなさい、あれ、私の兄で、、、ああ、泣き止んで?」


本当に同い年なのか?
明らかにハーマイオニーとネビルには2,3歳年の差があるように思える。


「ふん、男のくせに何怒鳴られたくらいでなに泣いてるんだよ。」


軽蔑の視線を込めてネビルを見下ろすと、ドラコは「行くぞ。」と、ハーマイオニーの手を引っ張ってコンパートメントに戻っていってしまった。
もちろん中々ハーマイオニーは引き下がろうとはしないのだが、如何せんドラコの方が力においては分がある。しかもドラコにはグラップとゴイルもついていて・・・
ずるずるとコンパートメントに押し込まれてしまった。
そんなハーマイオニーからは非難の嵐、嵐、嵐。


「何考えてるのよ!」


しかしドラコも負けじと言い返す。


「ふん、何だってあんなのと一緒にいる必要がある。あんな弱虫。あんなのに構ってるお前がいけないんだ!」


「私はただネビルのペットを一緒に探してただけよ。それにたかが30分くらいでしょ?いいじゃない、それくらい。」


ドラコはネビルと親しげに名前を呼ぶハーマイオニーに、イライラと神経質に指でカツカツテーブルを叩く。
そしてダン、とテーブルを拳で叩くと


「たかが30分だと!?長すぎる!どれだけ僕が心配したと思ってるんだ!?」


声を荒げて言った。
そんなドラコに、呆れたようにハーマイオニーは溜息をついた。


「あのね、、前から言おうと思ってたけど、過保護すぎるわ!友達の家に遊びに行く時は一時間に一回ふくろう便をよこすし」


それは遊ぶ相手が女だけじゃなかったし、、、


「学校の行き帰りはいつも一緒だし」


それは行き帰りに何か起こらないか心配だし、、、


「男の子からの手紙は私が読む前に全部チェックしてるし」


「僕には妹を守る義務があるからな。」


いちいちハーマイオニーの言葉にボソボソ対応していたドラコが一番最後だけは何故か誇らしげに胸を張る。


「あのねぇ、そこは威張るとこじゃないのよ」


冷たくハーマイオニーが言い放つ。
そして相変わらずふんぞり返るドラコにキー!と癇癪を起こすと、「もういいわよ!」と部屋を飛び出した。